フェレット里子

正式譲渡完了

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いたち(フェレット)

へっぴり腰から陽キャに【フェレット正式譲渡完了】幸せになりましたと医療費のご報告

アイキャッチでお澄まし顔の可愛いこちらの男の子。

先日、無事に正式譲渡となりましたので、今日はそのお話をさせて頂こうと思います。

この子は、フェレットの中でも「体格に恵まれている」とされる方の骨格の持ち主なのですが、いたちのおうちへ来た当初は体がヒョロヒョロしていて、顔だけが大きいちょっとアンバランスな体型をしていました。

ですが、「特に悪いところはない」との診断を受けていたので、焦る事はないからゆっくり心も体も少しずつ本調子を取り戻せばいいねって、この子の素が見られるようになるまで「まあ、のんびりいこうか」と、最近のいたちのおうち事情では珍しく気持ち的には安心できるお引き受けでした。

ところが、やっぱりさすがフェレット。

そんな簡単にこちらの思う通りはいかず…

こういう活動をしていると「行先はこの子達が自分で決めるんだなぁ」って思う出来事が多々あるのですが、この子もまさにその通りで、「行くべきして行くところへ自分で行った」そんな陽気で可愛いシンデレラ(男の子でもこういう言い方で良いのかな?)ストーリーを聞いて下さい。

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へっぴり腰から陽キャへ華麗に変身【正式譲渡までの道】

一目見たその時から「すごく緊張しやすい子なんだな」って思いました。

数匹いたうちのこの子だけ、なんだかずっとソワソワオロオロ、表情どころか全身から「不安です」がビンビン伝わってくる、そんな様子でした。

環境の変化が苦手でそれが大きなストレスになる子なのかもしれない、それだったら、健康状態に問題もないし、やっと慣れた頃にまた何度も何度も環境を変えるのは酷だと思う。この場所に慣れてしまう前に安心できるずっとのお家へお迎えしてもらえたらそれが一番良いのではないか。

という結論から、通常の募集要項に特殊な条件を追加する形で早々に里親さんを募集しました。

ら、そこから数日も経たずに、時期被りの保護っ子がコクシジウムを発症したとの連絡がありまして、全ての子の里親募集を一時中断して「全頭様子見」となりました。

コクシジウム発症フェレットお世話の仕方(多頭飼育でパンデミックを防ぐには)

前回、保護ニョロたけちゃんがコクシジウムを発症したため、里親募集を一時中断する旨をお知らせ致しました。 とても多くの「たけちゃん、頑張って!」のお声を頂いています。 中には… 想像していた通り、過剰な ...

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そこで冒頭の「まぁ、少しここでゆっくりしてもらいながら…」になるわけですが

とにかくビビり、ヘコヘコへっぴり腰のシャイボーイ

さすが、「健康状態には何も問題の無い子」とお墨付きがあった子なだけあって、あっという間に標準体型になってくれたのですが、ビクビクオドオドはしばらく続きました。

ケージが開いていても自分から出てこようとはしない。

他の子が出てくる時に「待って待っておいて行かないで」みたいに慌ててくっついて出てくる。

出てきても、他の子は「わーい!」って駆け足で去っていくのに、この子だけそこから動けない。

時間をかけてやっと自分から出てきてくれるようになっても、

へっぴり腰のフェレット

恐る恐る…

こちらが写真を撮ろうと立ち上がったりちょっと動くと『ビクッ!』と固まってしまって、こんな写真ばかりだった時期がありました。

へっぴり腰のフェレット

そうこうしているある日、こんな事がありまして

どんなやり取りがあったのかは分かりませんが、この日を境に、

本当は誰よりもハッスルパリピだったんだね(笑)

この楽しそうな歌声が聞こえますでしょうか?

一度この 「楽しい♪」を見せてくれてからは、もうずっと、いつ見ても

つられてこちらも笑ってしまうくらい本当にいつも、こんな風に「ククククック♪」歌いながら全力で転げまわって遊ぶ子でした。

が、これがこの子の運命の分かれ道、「僕の家はあそこです」のプロローグでした。

好きでも一緒にいられない相性がある

ここまでちらっちらっとお話ししていますが、この子は1人ではありませんでした。

ですが、1人の預かりさんに全匹一緒にという数ではなかったので、最初から複数個所でのお預かりとなり、我が家には健康状態に問題なしとされる「すぐに里親募集を開始できる子」二人が来ていました。

Twitterを見てくださっている皆さまには最近おなじみのあの「小さい子ちゃん」です。

元々の骨格が小さいので、彼女のベスト体重は多分500g前後(獣医さんの診断です)で、我が家に来た当初その二人の体重差はわずか200gほどでした。(来た時から彼女はその体重がありました。)

里親募集を中断して様子見をしている間に、この子はどんどん体重が増え、もともとのがっしりした骨太体型に上記の通りのこの運動量ですから、ガッチリムキムキ1300gのアスリート体型にまであっという間になりました。

ビクビクへっぴり腰はおさまったけど、甘えん坊の末っ子気質は変わらずで、遊ぼう♪遊ぼう♪って、飛びついて、抱え込んで、引きずって…3倍近い体重差の4才ムキムキアスリート男子と6才の小さくて華奢な女の子。

最初はこんなに仲良く寝ていたのに、

保護フェレット

ケージでキーキー大乱闘をするようになりました。

と、いっても、女の子が一方的に羽交い締めにされているだけなのですが、歯ぎしりして脱糞して抗議しているのに、ちょっと空気が読めないパリピくんは意に介さずの様子で…、放牧中も女の子が1人でゆっくり部屋ん歩をしているところに後ろから飛び掛かって抱え込んで引きずって宝物置き場に連れて行く…この子はあの子が好きだからそうしているだけなのは見ていて分かるのですが、体格差があり過ぎるその様子はハラハラ危なっかしくて…

これはライトな方なのですが、四六時中ずっとこう。

見てお分かりの通り、この子は噛んだり乱暴なことは何もしていなくて、悪気なんてまったく無いんです。

この子は自分が急に大きくたくましくなったことにも、急に体力がついて自分の力が強くなっていることにもただ気が付いていないだけなんだと思います。

だから、前と変わらず同じようにじゃれているだけなんですけど、体格差が付きすぎちゃって女の子が振りほどく事はもちろん、「嫌だから止めて」が通じなくなっちゃっていって…

女の子の方はもともと来た時からずっとうんちが安定しない子ではあったのですが、あまりにも安定しなさ過ぎるので病院で相談をしたら「もともとのユルユルウンチの原因がしっかり分かっていない現状で今回の下痢をストレスだと決めつけるのは危険です。が、無いとは言い切れませんので様子見は二人を離して別々にが望ましいと思います。」とのことでした。

(⇒女の子の体調については後日、別のお話でさせて頂きます)

その頃、我が家では手術をしたばかりのさすけはなかなか調子が戻らない状態、もえちゃんはもえちゃんでお薬の効きが悪くなってきたのか頻繁に発作を起こすようなって「お薬を変えて様子見」の状態。

ありあまるこの子の元気を発散してあげられる相手がいない中で全員ケージを分けての様子見にしたら、今度はこの子までまたしょんぼりと食欲も元気もなくなってしまって…

「その子もここなのかな?だったらさ…家で良かったら家に来ない?みんなで一緒にいたら良いよ」で正式譲渡決定

「里親募集を再開する時には、この子には一緒に遊べる体型年齢が同じくらいの子がいるお家が良いと思うのですが、どう思いますか?」

「へっぴり腰ビビりな神経質な子ですよ?今はパリピだからって、相手は誰でも良いってことはないのではないですか」

「まぁ、そうですけど…」

「寂しいからって誰でも良いってタイプではないと思います」

「ですよね…」

…どうしてあげる事がこの子の幸せなんだろうか

里親募集をすぐには始められない子達(=通院が必要な子たち)の預かりさんとも毎日のように連絡をとっていたのですが、うちにいる二人についての報告をしたのはちょうど、預かりさんをしてもらっていたあの子達には長期的な通院が必要だと確定して、それまでの「いつか里子として元気に送り出してあげるための治療」から「ここでゆっくり元気になっていってもらいますの治療」に切り替えましょうというお話がまとまったばかりの頃でした。

「というわけで、ちょっと難しいかもしれないけどこちらの子の里親さん探しはそういう感じになると思います。」

「え…大丈夫なんですか?せっかくやっと本性を出してくれるようになってきたのに知らない所でまた1からって…」

「いや、本来であればもといた全員一緒が理想だったのかもしれませんが、とてもじゃないけどそういう状況でも数でもなかったですから…」

「んーでも…、あの、私がこんな事を言える立場じゃないのは分かってるんですけど私だってその子ちゃんが気になるし心配なんです。この子達と一緒にいた子ってこともあるし…」

「立場とかそんなことは関係ないですよ、そうやって自分の子と同じように考えて心配してもらえるのは有難いことでしかないです。」

というような会話を何回も何十回も重ね、本当は元いた子たちと一緒にいさせてあげられる事が叶うのであればそれが一番良いと思っているのが本音であること。

でも、すでに通院が必要な子をもう2人もお迎えしてもらっているのに、そこへこちらの親心だけでもう1人もお迎えしてあげて欲しいだなんて簡単にはできない話だと重々分かってること、でも、それでも、本当は一緒に暮らさせてあげられないkって…あー、ダメだ。

こうして書いていると、またあの時の毎日悶々としていた感情が思い出されてきて文章まで悶々としてしまう。

本当にそれくらい毎日、毎日、Lineして、電話して、隠しきれない本音をチラチラ漏らしながらこの子の「一番の幸せ」をずっと話し合っていました。

で、そこからも色々とありましたがそれらは丸っと省いて、

「いたちのおうちさんの考えは分かっているつもりですが、その子さえ良かったらうちは全然問題ないです。そのうえで、その子もうちに来たら良いよ?みんなで楽しいならそれが一番良いじゃない?って主人も言ってくれてます。」って、本当になんて言ったら良いのか…ありがたいです。

そんなありがたい運びで、いざ当日

案ずるより産むがやすし「僕はここの子です」

先にお迎えを決めてもらっていた二人に会わせた瞬間、その二人に飛び掛かられていました。

「あぁ!2人で1人はダメだよ…」って言いかけたけど、よく考えたら、1人だけもとより2倍近くも大きくなって、なんならこの子1人でその二人を合わせた体重より少し軽いかなくらいなのですから、2人がかりで「なんだ!お前は!」ってなるのは当然です。

大丈夫かな…大丈夫かな…ってオロオロしながら見守っていたら、すぐに

「なんだ!お前か!!」「そうだよ!さっきからそう言ってるじゃん!」「よぉ!久しぶり!」みたいな感じで、ワチャワチャ遊びだしました。

何も心配する事はないとは思うけど事情が事情なだけにそれが顔に出ていたんだと思います。

「しばらくはきちんとしっかり様子を見て、逐一ご報告させていただきますから安心して下さい。」って…もう本当にありがたいです。

医療費のご報告

という事情ですので、この子は念のための軽い健康診断とフィラリア予防のお薬1回分だけ。

フェレット医療費

7,540円

皆さまからのご支援をありがたく充てさせて頂きました。

ジステンパーワクチンは里親さまにお願いをして、先日もう「済ませました」のご報告を頂いております。

あの日、「もう大丈夫だね?おばちゃん帰るよ」って声をかけた時のこの「うん♪またね♪」みたいなこの凛々しいお顔を見て、

フェレット譲渡決定

一番幸せになれるお家に「やっと連れてきてあげられた。この子のずっとのお家はここだったんだ。」って思いました。

おしまいに

この子達は引取り要請からの緊急レスキューです。

引取りに至った経緯などはまたいつかきちんと記事にさせて頂こうと思いますが…

フェレットは犬や猫に比べると圧倒的に一緒にいられる時間が短いです。

その短い時間でも、健康状態に何の心配もなく一生を過ごせる子は少なく、お迎えしてわずか1~2年でもう一生の投薬が必要になる子も多いです。

大きな手術、マメな検査、毎月の病院代、すごくお金がかかります。

それはフェレットに限った話ではないけれど、ペットは「可愛いだけでは飼えない」って、もっと広まって欲しいなって思います。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

-いたち(フェレット)
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